エビングハウスの忘却曲線の結論

エビングハウスの忘却曲線とは、人は覚えたことを時間の経過とともに忘れていくことを示した考え方です。
よく「1日でかなり忘れる」と言われますが、大切なのは悲観することではありません。
むしろ、忘れる前提で復習のタイミングを決めれば、記憶は定着しやすくなるという点にあります。
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- 人は復習しなければ短時間で多くを忘れる
- 忘れること自体は自然な脳の仕組み
- 当日・翌日・数日後と復習を入れると覚えやすくなる
- 「読むだけ」より「思い出す復習」の方が効果的
「頑張って覚えたのに、すぐ忘れてしまう…」と悩むお子さんはとても多いです。
ですが、それは根性が足りないからではありません。人間の脳がそういう仕組みだからです。

元予備校教室長のGTOが、エビングハウスの忘却曲線の意味と、
毎日の勉強にどう活かせばよいのかをわかりやすく解説します。
エビングハウスの忘却曲線とは?わかりやすく解説

エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行った記憶実験から生まれた考え方です。
彼は、意味のない音節を覚えて、どのくらい忘れるかを調べました。
ここで有名になったのが、時間の経過とともに記憶が薄れていくという考え方です。
よく「20分後には42%忘れる」「1日後には67%忘れる」といった数字で紹介されますが、この記事では細かい数字を丸暗記するよりも、復習をいつ入れるべきかという実践面を重視して説明します。
忘却曲線でよく知られている数値
まずは、よく紹介される代表的な数値を表で確認してみましょう。
| 時間経過 | 忘れる割合の目安 |
|---|---|
| 20分後 | 42%忘れる |
| 1時間後 | 56%忘れる |
| 9時間後 | 64%忘れる |
| 1日後 | 67%忘れる |
| 2日後 | 72%忘れる |
| 6日後 | 75%忘れる |
| 31日後 | 79%忘れる |
この表を見ると、最初のうちに急激に忘れやすいことがわかります。
だからこそ、「そのうち復習しよう」では遅く、早めに1回思い出すことがとても大切です。
だからこそ、勉強では「そのうち復習しよう」では遅く、早めに1回思い出すことがとても大切です。
「忘却曲線=全部そのまま忘れる」ではない
注意したいのは、忘却曲線は「人間は必ずこの割合で忘れる」と断定するものではないことです。
実際には、学ぶ内容に意味があるか、興味があるか、何度復習したか、テスト形式か会話形式かなどで記憶の残り方は変わります。
つまり、忘却曲線は「人は忘れる生き物だから、復習を仕組みにした方がいい」というヒントとして使うのが実践的です。
エビングハウスはどんな人物?

ヘルマン・エビングハウスは、19世紀のドイツで活躍した心理学者です。哲学を学んだ後、記憶に関する研究を進め、実験心理学の発展に大きく貢献しました。
とくに有名なのは、意味のない音節を使って記憶の変化を調べた研究です。
今では当たり前のように語られる「人は時間とともに忘れる」という考え方を、実験によって示した点に大きな価値があります。
エビングハウスの基本情報
- ドイツの心理学者・哲学者
- 記憶の実験研究で有名
- 意味のない音節を使った記憶研究を行った
- 忘却曲線の考え方で広く知られている
人物史そのものを細かく覚える必要はありません。
受験や日々の勉強で大切なのは、この研究から何を学習に活かせるかです。
忘却曲線は勉強にどう活かす?

ここがこの記事のいちばん大事なポイントです。
忘却曲線を知る意味は、「すぐ忘れるから無理だ」と落ち込むことではありません
。忘れる前提で復習を設計することにあります。
① その日のうちに軽く復習する
人は覚えた直後から忘れ始めます。だから、学校や塾で学んだ内容は、できればその日のうちに5分〜15分でも見直すのが理想です。
ここで大切なのは、長時間やることではありません。
「今日やった内容を思い出せるか確認する」だけでも十分価値があります。
② 翌日・数日後にもう一度思い出す
1回見ただけでは、どうしても抜けていきます。そこで、翌日・数日後・1週間後というように、少し間隔をあけて復習すると記憶が残りやすくなります。
たとえば英単語なら、次のような流れがやりやすいです。
- 当日:新しく覚える
- 翌日:何も見ずに思い出してみる
- 3日後:間違えたものだけ確認する
- 1週間後:もう一度テストする

このように復習の間隔をあける学習は、詰め込みよりも効率がよくなります。
③ 「読むだけ」より「思い出す」復習をする
最近よく言われるアクティブリコールは、「能動的に思い出す」勉強法です。
ノートを眺めるだけではなく、問題を解く、口に出す、白紙に書いてみる、といった形で自分の頭から取り出すことで記憶は強くなります。
忘却曲線と相性が良いのも、この「思い出す勉強」です。
教室長時代にも、「何回もノートを見ているのに覚えられない」という生徒は少なくありませんでした。
逆に伸びる子は、完璧でなくても「まず思い出してみる」「小テストで確認する」を繰り返していました。
勉強量だけでなく、記憶の取り出し方で差がつく場面は本当に多いです。
忘却曲線が役立つ勉強の具体例

忘却曲線は、受験勉強や定期テスト対策でもそのまま使えます。ここでは、よくある場面ごとに活かし方を整理します。
英単語の暗記
英単語は、1回で完璧に覚えようとすると苦しくなります。
10回読むより、短い時間で何度も思い出す方が定着しやすいです。
たとえば20語覚えるなら、当日に確認し、翌日と3日後にもう一度テストする流れがおすすめです。
社会・理科の一問一答
用語の暗記も同じです。赤シートで隠して答える、一問一答アプリで確認する、家族に口頭で説明するなど、思い出す形式にすると覚えやすくなります。
数学・国語の解き直し
暗記科目でなくても忘却曲線は関係します。数学の解法や国語の読解パターンも、時間が空くと抜けていきます。
間違えた問題は、解説を読むだけで終わらせず、翌日か数日後にもう一度解き直すのが効果的です。
忘却曲線についての誤解と注意点

忘却曲線は有名ですが、使い方を間違えると「数字だけ覚えて終わり」になってしまいます。
数字を暗記すること自体が目的ではない
20分後に何%、1日後に何%と覚えることよりも、早めに復習するべきだと理解する方が重要です。
すべての学習内容が同じように忘れられるわけではない
意味のない音節の記憶実験と、学校の教科の学習は完全には同じではありません。
ストーリーがある内容、興味がある内容、繰り返し使う知識は残りやすくなります。
睡眠・集中力・学習環境も影響する
記憶は復習だけで決まるわけではありません。
睡眠不足や集中しにくい環境では、そもそも覚えにくくなります。
勉強法全体を見直したい方は、試験前に集中力を高める方法もあわせて確認してみてください。
エビングハウスの忘却曲線を活かすコツまとめ

エビングハウスの忘却曲線は、「人は忘れる」という当たり前の事実を教えてくれます。
ですが本当に大事なのは、そこで終わらず、どう復習の仕組みに変えるかです。
- 勉強した当日に軽く思い出す
- 翌日・数日後・1週間後に復習する
- 読むだけでなく、問題を解く・口に出す・書く
- 完璧主義より、短く何度も触れる方が続きやすい
「覚えられない」のではなく、忘れる前提で復習できていないだけというケースは多いです。
ぜひ今日から、復習のタイミングを変えてみてください。
📌 この記事のまとめ
・エビングハウスの忘却曲線は、人が時間とともに忘れる仕組みを示した考え方です
・大切なのは数字を覚えることではなく、当日・翌日・数日後に復習することです
・「読むだけ」より「思い出す勉強」を取り入れると記憶は定着しやすくなります

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